# キーボードマトリックスの仕組み キーボードスイッチのマトリックスは行と列に配置されます。マトリックス回路がなければ、各スイッチはコントローラに直接配線する必要があります。 回路が行と列に配置されている場合、キーが押されると、列ワイヤが行ワイヤと接触し、回路が完成します。キーボードコントローラはこの閉回路を検知し、キー押下として登録します。 マイクロコントローラはファームウェアを介してセットアップされ、論理1を一度に1つずつ列に送信し、行から一度に全てを読み取ります - このプロセスはマトリックススキャンと呼ばれます。マトリックスはデフォルトでは電流の通過を許可しないたくさんの開いたスイッチです - ファームウェアはキーが押されていないものとしてこれを読み取ります。1つのキーを押すとすぐに、キースイッチが接続されている列から来ていた論理1がスイッチを通過して対応する行に渡されます - 以下の 2x2 の例を確認してください: Column 0 being scanned Column 1 being scanned x x col0 col1 col0 col1 | | | | row0 ---(key0)---(key1) row0 ---(key0)---(key1) | | | | row1 ---(key2)---(key3) row1 ---(key2)---(key3) `x` は関連付けられた列と行の値が1であるか、HIGH であることを表します。ここでは、キーが押されていないことが分かります。そのため `x` を取得する行はありません。1つのキースイッチの二つの接点はそのスイッチのある行と列にそれぞれ接続されていることに注意してください。 `key0` を押すと、`col0` は `row0` に接続されるため、ファームウェアがその行に対して受け取る値は `0b01` です (ここで `0b` はこれがビット値であることを意味します。つまり次の数字は全てビット(0または1)であり、その列のキーを表します)。この表記を使用して、キースイッチが押されたことを示し、列と行が接続されていることを示します: Column 0 being scanned Column 1 being scanned x x col0 col1 col0 col1 | | | | x row0 ---(-+-0)---(key1) row0 ---(-+-0)---(key1) | | | | row1 ---(key2)---(key3) row1 ---(key2)---(key3) `row0` には `x` があるため、値が1であることがわかります。全体として、`key0` が押された時にファームウェアが受信するデータは、 col0: 0b01 col1: 0b00 │└row0 └row1 一度に複数のキーを押し始めると問題が発生します。マトリックスをもう一度見ると、かなり明白になっているはずです: Column 0 being scanned Column 1 being scanned x x col0 col1 col0 col1 | | | | x row0 ---(-+-0)---(-+-1) x row0 ---(-+-0)---(-+-1) | | | | x row1 ---(key2)---(-+-3) x row1 ---(key2)---(-+-3) Remember that this ^ is still connected to row1 これから取得されるデータは以下の通りです: col0: 0b11 col1: 0b11 │└row0 └row1 4つ全てではなく、3つのキーしか押されていないため、これは正確ではありません。この挙動はゴーストと呼ばれ、このような奇妙なシナリオでのみ発生しますが、より大きなキーボードではより一般的です。これを回避する方法は、キースイッチの後に、行に接続する前にダイオードを配置することです。ダイオードは、電流が一方向にのみ流れるようにします。これにより、前の例で他の列と行がアクティブにならないようにします。ダイオードマトリックスをこのように表します; Column 0 being scanned Column 1 being scanned x x col0 col1 col0 col1 │ │ | │ (key0) (key1) (key0) (key1) ! │ ! │ ! | ! │ row0 ─────┴────────┘ │ row0 ─────┴────────┘ │ │ │ | │ (key2) (key3) (key2) (key3) ! ! ! ! row1 ─────┴────────┘ row1 ─────┴────────┘ 実際の用途では、ダイオードの黒い線が行に面するように、キースイッチから離れるように配置されます - この場合の `!` はダイオードで、隙間は黒い線を表します。これを覚える良い方法は、以下のシンボルを考えることです: `>|` 次に、3つのキーを押して、ゴーストシナリオとなるものを実施します: Column 0 being scanned Column 1 being scanned x x col0 col1 col0 col1 │ │ │ │ (┌─┤0) (┌─┤1) (┌─┤0) (┌─┤1) ! │ ! │ ! │ ! │ x row0 ─────┴────────┘ │ x row0 ─────┴────────┘ │ │ │ │ │ (key2) (┌─┘3) (key2) (┌─┘3) ! ! ! ! row1 ─────┴────────┘ x row1 ─────┴────────┘ 全てが期待通りに動きます!これにより、以下のデータが取得されます: col0: 0b01 col1: 0b11 │└row0 └row1 ファームウェアはこの正しいデータを使って、何をすべきかを、最終的には OS に送信する必要のある信号を検出できます。 参考文献: - [Wikipedia の記事](https://en.wikipedia.org/wiki/Keyboard_matrix_circuit) - [Deskthority の記事](https://deskthority.net/wiki/Keyboard_matrix) - [Dave Dribin による Keyboard Matrix Help (2000)](https://www.dribin.org/dave/keyboard/one_html/) - [PCBheaven による How Key Matrices Works](http://pcbheaven.com/wikipages/How_Key_Matrices_Works/) (アニメーションの例) - [キーボードの仕組み - QMK ドキュメント](how_keyboards_work.md) 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336